健康食品の正体

健康食品と聞くと「体にいい食べ物なんだわ!!」と思ってしまいがちですが、実はそういった背景が立証されているものではありません。
日本の薬事法や食品衛生法の法律では、口に入る物は「食品」か「薬」のどちらかであるとされており、「健康食品」というカテゴリーは存在しないのです。それじゃあ一体何なんだ!!というと、健康食品は法律上「食品」として扱われるものなのです…ってまだ何だかはっきりしませんね。

 

2003年から2004年にかけて13回も…暇な人たちだとは思わないように…行なわれた行政による「健康食品に係る制度のあり方に関する検討会」の定義では「広く、健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般」を「健康食品」というとされました。
ちなみに、1991年に保健機能食品制度が定められ、国の定めた規格や基準を満たす食品については保健機能を表示することができるようになって「保健機能食品」が生まれたのですが、その中身も、実験に実験を重ねてその科学的根拠を証明して提出し、表示の許可を得た「特定保健用食品(トクホ)」と、特定の栄養素を含み基準を満たしていれば表示が可能となる「栄養機能食品」に分けられています。

 

さて、前述した「健康食品に係る制度のあり方に関する検討会」では、「健康食品」から「保健機能食品」を除いたものを、「いわゆる健康食品」と表現しています。さあ、ますます訳がわからなくなってきました。
ちなみに独立行政法人である国立健康・栄養研究所では、「健康食品の安全性・有効性情報」というデータベースを公開し情報の提供の役割を担っています。2007年2月には、国立健康・栄養研究所の監修で『健康食品データベース』という書籍が翻訳されて発行されたのですが、英語の原題中の Natural medicines の和訳が健康食品となっています。翻訳ではよくある翻訳者のセンスの問題でもありますが、直訳だと自然の薬ですね、まさにモノは言い様です。

 

さてあまりにも長すぎた専門的な前置きはここまでにして、ようやくですが、要するに健康食品というのは概念上のネーミングともいえる、法律上なんの根拠もない分類なのです。
例えば友達からもらったメーカーもわからない一粒のチョコレートでも、原料のカカオの成分に注目して見れば「これは健康食品だ」と言っても間違いではないということなのですね。

 

そうすると、私たちが消費者として「健康」という言葉にいかに踊らされているかということに気づきます。中には純粋に健康に良いという信念をもって作られているものもあれば、逆にうわべや言い回しだけで巧みに意識を操ろうとしているものもあると言えるのです。
青汁をはじめ、健康食品はたくさん出回っていますが、しっかりと実情を知ったうえで、自分で納得して利用されることが望ましいですね。